今回は、貿易実務で躓きがちな、インコタームズについてお話したいと思います。
・インコタームズってなに?
・わからなくて大丈夫な理由ってなに?
と思った方は是非最後まで読んでいただければと思います。
- インコタームズってなに?
- EXW:Ex Works (insert named place of delivery)
- FCA:Free Carrier (insert named place of delivery)
- FAS:Free alongside Ship (insert named port of Shipment)
- FOB:Free on Board (insert named port of shipment)
- CPT:Carriage Paid To (insert named place of destination)
- CIP:Carriage and Insurance Paid To (insert named place of destination)
- CFR:Cost and Freight (insert named port of destination)
- CIF:Cost Insurance and Freight (insert named port of destination)
- DAP:Delivered at Place (insert named place of destination)
- DPU:Delivered at Place Unloaded (insert named place of destination)
- DDP:Delivered Duty Paid (insert named place of destination)
- インコタームズを覚えきれない?
- インコタームズで気をつけらければならないこと
- 実務上、頭のアルファベットで大まかに分類できるようにはなっておくべき
- ※貿易実務検定では正確に覚えておく必要がある
- まとめ インコタームズの条件内容は相手とよく確認しておこう
インコタームズってなに?
インコタームズとは、国際商業会議所 (International Chamber of Commerce: ICC) が策定した貿易条件の定義です。
売り主と買い主との間で、どこまでの責任があるのかを明記したものになります。商品の価格はどこまでの責任範囲かで増減します。また、最新のインタームズ2010は以下のようになっています。
EXW:Ex Works (insert named place of delivery)
場渡し(指定引渡地を挿工入)
FCA:Free Carrier (insert named place of delivery)
運送人渡し(指定引渡地を挿入)
FAS:Free alongside Ship (insert named port of Shipment)
船側渡し (指定船積港を挿入)
FOB:Free on Board (insert named port of shipment)
本船渡し(指定船積港を挿入)
CPT:Carriage Paid To (insert named place of destination)
輸送費込み (指定仕向地を挿入)
CIP:Carriage and Insurance Paid To (insert named place of destination)
輸送費保険料込み (指定仕向地を挿入)
CFR:Cost and Freight (insert named port of destination)
運賃込み (指定仕向港を挿入)
CIF:Cost Insurance and Freight (insert named port of destination)
運賃保険料込み (指定仕向港を挿入
DAP:Delivered at Place (insert named place of destination)
仕向地持込渡し (指定仕向地を挿入)
DPU:Delivered at Place Unloaded (insert named place of destination)
荷卸込持込渡し (指定仕向地を挿入)
DDP:Delivered Duty Paid (insert named place of destination)
関税込持込渡し (指定仕向地を挿入)
インコタームズを覚えきれない?
うーん・・・覚えきれないなあ
多分、貿易実務初心者の方は、ちんぷんかんぷんだと思います。
しかし、貿易実務においてはこれらを覚える必要はありません。
正確には頭のアルファベットで大まかに分類できていれば大丈夫です。
それには以下の理由があります。
-
インコタームズには法的拘束力がない
インコタームズは国際商業会議所が制定した国際規則ではありますが、法律でも条約でもありません。
国際規則通りに運用されていなくても何ら問題はありません。
-
相手がインコタームズの条件内容を勘違いしている可能性がある
インコタームズは何度も変わっています。
特に、古くからの取引先であれば、普通にインコタームズ2010以前の条件で運用されている可能性があります。
インコタームズで気をつけらければならないこと
相手がそのインコタームズをどう捉えているかよく確認する必要があります。
先述の通り、同じインコタームズでも、どちらかが古い条件の意味で解釈している可能性があります。
お互いにそのインコタームズの意味に相違がないか、よく打ち合わせする必要があります。
特に、海上保険のかけ漏れは個人的にリスクが高い事項だと思っていますので、漏れがないようにしておくことが大切です。
実務上、頭のアルファベットで大まかに分類できるようにはなっておくべき
先述の通り、
- インコタームズには法的拘束力がない
- 相手がインコタームズの条件内容を勘違いしている可能性がある
ので、インコタームズの意味を暗記する必要はないと思います。
しかし、大雑把でも大枠は古いインコタームズでも共通です。
よって頭のアルファベットで大まかに分類できるようにはなっておくべきです。
具体的には、
E条件:
※ただし、これはEXWしか条件がないので、事実上丸暗記です。
国内の工場などの指定場所に到着した時点から売主から買主に責任が変わります。
F条件:
仕出地から、船や航空機に載せられた時点から売主から買主に責任が変わります。
ただし、ヤードに入ったときなのか、コンテナが船の甲板に入ったときに責任が変わるのかなど、よく確認しておく必要があります。
C条件:
仕向地に、船や航空機がついたときに売主から買主に責任が変わります。
仕向地のどの時点で責任が変わるのかを確認するのも大事ですが、海上運送保険をかけるのが売主なのか買主をよく確認する必要があります。
D条件:
仕向地での指定地点での受け渡しした時点で売主から買主に責任が変わります。
その受け渡し視点がどこかも大事ですが、輸入通関はどちらが行うか、関税はどちらが持つかをよく確認する必要があります。
実務としては、大まかに4つに分類し、詳細を調整することがスムーズな進め方になります。
※貿易実務検定では正確に覚えておく必要がある
実務においては4つの大雑把な分類で暗記すればよいですが、貿易実務検定などの出題では正確に覚える必要があります。
試験なので当然ですね
まとめ インコタームズの条件内容は相手とよく確認しておこう
インコタームズは条件が明記されているので実務上有効なものですが、法的拘束力がない上に、相手がそのインコタームズをどう解釈しているかわかりません。
相手が外国人であることも多いので、後に大きなトラブルになることもあります。
インコタームズの条件を相手と良く擦り合わせることが円滑な商取引の第一歩です。
ここまで読んでいただいてありがとうございます
貿易実務での記事はこの他にもアップしていきますので、よろしくお願いします。
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