突然ですが、会社の経費は会社の売上に貢献するものや、事業継続のための支出について認められるものです。
ですが、経理業務をやっていると、「コレって私的な支出じゃないの?!」と言いたくなるもののあります。
今回は、そんなあり得ない経費精算についてお話したいと思います。
以下の例はあくまでもフィクションですが、このような私的な支出と取られるような事案が上場企業であっても存在するのが実態なんです。
例:ゴルフの明細のプレーヤー名が会社と無関係の息子の名前があった
取引先との付き合いのために、ゴルフコンペが開催されたり、一緒にゴルフを行うこともあるでしょう。
それ自体は何ら不思議なことではないので、交際費として会社の経費として認められます。
あるとき、役職が高い従業員が取引先とゴルフにいった精算の伝票の処理依頼が回ってきた際に、領収書に添付された明細書を見ると、1名事前に申告した者と違う、取引先でも、会社の人でもない名前があったので、
これは誰ですか?利害関係ではない方の分までは経費として認められません
と、問いただすと、
実はそれ・・・役職者の息子さんなんです
なんとなく、名字でそんな気がしましたが、まさかおくびもなくそんな書類を回してくるとは!!
この事例は経費として認められる?
かなりグレーなところではありますが、そもそも交際費は税務上の損金とは認められないので、(損金不算入)そこまで問題にはならないと思います。
例えば、100の利益があったとき、50の交際費を使ったとします。
交際費は経費ですので、100ー50=50が利益になります。
しかし、交際費は税金計算する上では損金として認められません。
つまり、利益の100から税金を計算することになります。
交際費を使って利益を少なくみせても節税はできないです。
ただし、会社の規模や使用金額によっては、交際費であっても一部ないし全額損金として認められるでしょう。
コンプライアンスとしては大いに問題がある
言うまでもありませんが、社内として問題がないと判断しても、外部から見れば役職者の私的使用と思われても仕方ありませんのでコンプライアンスとして大いに問題があります。
交際費のような損金不算入の費目ならまだしも、もし、損金の費目で処理させていたら国税の目につくところになるかもしれません。
その先に待っているのは、横領と背任行為としての処分と告発です。
経費の私的利用とみなされるような支出はしない事が必要です。
おまけ:本来は個人の所得とみなす必要がある
成果を上げた従業員に特別に賞金を渡した場合、その従業員の所得とみなされ、源泉徴収する必要があります。
今回の例も、身内のゴルフ代は所得とみなし、その役職者から源泉徴収しなければならない可能性があります。
私的な支出をする可能性が高いのは誰?
ここまでの話をすれば、会社内で最も私的な支出をする可能性があるのは誰かはもうおわかりですね。
役職が高い人物であればあるほどその可能性が高いです。
自分が最終決済者である場合はもちろん、部下が上司に私的利用を指摘するのは厳しいですね。
逆に言うと、下っ端であればあるほど、私的利用できにくいです。
まとめ:会社の経費の私的使用は社内ではなく外部からの自浄作用が必要
いかがでしたでしょうか。
経費の私的利用の先にあるのは社会的制裁です。
くれぐれも経費の私的利用とみなされるような支出は行わないようにしましょう。
しかし、経費の私的利用とみなされるような事案は、役職が高い人物であればあるほど行う可能性が高くなります。もし、社長が私的利用とみなされるような領収書を持ってきたら、それを否認できるものが社内にいるでしょうか?!
私見として、経費の私的利用は、公認会計士の監査によって指摘すべき事案だと思います。
株主への利益還元の観点からも、経費の私的利用はよくありませんね。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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